Mindfulness: being at this moment

去年、「何でそんなに走っているのですか?」と聞かれた事がある。とりあえず、「健康にいいから」「走ると気持ちいいから。」「好きなものをダイエットに気にせずに食べられるから。」などと答えて見た。が、もっとよく考えてみると、本当にこれほど長く(かれこれ10年)、時には苦しい思いをして、レースに出るためには安くはない申込料を払って走るのだろうという疑問の方が大きくなっていった。

何でこんなに走るんだろう?

茶道も同じ。何でこんなに続けているのだろう(こちらはかれころ25年以上)。

こんな思いがいつも頭の片隅にあったのだが、最近、それらしい答えが自分の中で見つかったような気がした。

それは、瞬間の一点に集中できるから。英語でいうなら、Being at this momentという事。

最近、よく聞く言葉がマインドフルネス。読了した本「最高の休息法」(これは良かった)でも一日数分の瞑想(メディテーション)を勧めている。瞑想することにより、現代の生活で疲れすぎた脳を休める事ができるというのだ。医学的にもその効用が徐々に認められている。

実際、私も以前、メディテーションの講座で目を閉じて静かに自分の呼吸に集中することを20〜30分した時、その後、体の調子が妙にいいことに気が付いた。目はシャッキっとして、体も心なしか軽い。そして、今年に入って1日10分、毎日ではないが時間のある時にメディテーションをするようにした。調子がいい。まだまだ雑念が多い私自身は数を数えながら、呼吸をしながら体の部分のおこる変化を感じていた。

そして、先日。ロングランをしている時にふと思った。走ることもマインドフルネス。一歩、一歩に集中して、体と会話をしながら(ほとんど場合、右の膝が痛くなってきた、いや、今度は左だ、なんていう事ばかりだけど)、一瞬一瞬を体験しているんだなぁっと気が付いて。当たり前といえば、当たり前だけど、これが私の動く瞑想にずっとなっていた訳だ。

茶道も然り。お茶を始めるまでは寒い季節、暑い季節はあまり好きではなかった。しかし、お茶のある生活をしていると本当にどの季節も大好きになる。夏の暑い日には露をたっぷり打った緑の葉を乗せた水指を使ったり、水の音を楽しむ趣向も沢山。寒い季節には火を大きくして、お湯が冷めにくい筒状の茶碗を使ったりする。一瞬、一瞬を楽しむようにできている。

Being at this moment, 一瞬、一瞬を大切に。 結局、それが全部に繋がっているから。