September Chaji 2020 / 長月茶事

Because I cannot invite my tea friends for a formal tea gathering, chaji, at home, my family became the guests on Sunday. We celebrated the upcoming birthday for step-daughter #3!

ここ数年、修行の一環(?)として自宅で茶事を定期的にやっていました。もちろん、うちにはちゃんとした茶室も庭もないので、あれこれ工夫しながら。が、ご存知の通り3月中旬からずーっと自宅待機が続いているアメリカなので、茶事もずっと出来ず。お客様がいないとやっぱり出来ないし。

が、ある日思いつきました。そうだ、家族を招待すればいいんだ!っと。

お誕生日が1週間後になった三女を正客に、次女、四女、夫という客組。夫は前々から私が茶事をする時に水撒きや給仕を手伝ってくれていたので、今回もお手伝い&カメラマン(本当は茶室にはカメラは持ち込めないけれど)としてサポート。

炭をついで、点心のお昼ご飯を食べて、お菓子&薄茶という簡略化した茶事でしたが、ガールズ(継娘達)はもちろん初めて。私も楽しかったです。

この日は35度を超える猛暑になり、みんな夏服。一応、ちゃんと白い靴下も履いてます。愛犬のウォーカーも一緒に。

この日は35度を超える猛暑になり、みんな夏服。一応、ちゃんと白い靴下も履いてます。

愛犬のウォーカーも一緒に。

何も言わなかったけど、記帳はみんなカタカナで。ガールズは中学/高校で日本語のクラスを取っています。

何も言わなかったけど、記帳はみんなカタカナで。ガールズは中学/高校で日本語のクラスを取っています。

ファミリー・ルームが待合です。「月」西垣大道筆 大徳寺派極楽寺(兵庫県)、 「秋草図」 坂口行雲絵

ファミリー・ルームが待合です。

「月」西垣大道筆 大徳寺派極楽寺(兵庫県)、 「秋草図」 坂口行雲絵

汲み出しでお白湯をいただきます。お白湯を飲んだら裏庭に出て、ぐるっと家の横を回って正面玄関に。蹲(らしきもの)を用意したので、そこで手と口を」清めて本席(ダイニングルームへ)。

汲み出しでお白湯をいただきます。

お白湯を飲んだら裏庭に出て、ぐるっと家の横を回って正面玄関に。蹲(らしきもの)を用意したので、そこで手と口を」清めて本席(ダイニングルームへ)。

本席の掛け軸は前田昌道筆(大徳寺瑞峯院)「日々是好日」。最初に掛け軸の説明をして、それぞれの印象を聞きます。「日」と言う字はみんな読めたみたい。「‥」は不思議そうでした。そして英語に訳すのですが、”Everyday is a good day” と簡単にしてしまうのは勿体ない。私の師は「好日」を “the day to be liked” とよくおしゃっています。単に「いい日」と言うよりは、もっとポジティブにその日を「佳き日」にしようと言う意味を込めて。でも、やはり毎日生活していく上では「佳き…

本席の掛け軸は前田昌道筆(大徳寺瑞峯院)「日々是好日」。

最初に掛け軸の説明をして、それぞれの印象を聞きます。「日」と言う字はみんな読めたみたい。「‥」は不思議そうでした。

そして英語に訳すのですが、”Everyday is a good day” と簡単にしてしまうのは勿体ない。私の師は「好日」を “the day to be liked” とよくおしゃっています。

単に「いい日」と言うよりは、もっとポジティブにその日を「佳き日」にしようと言う意味を込めて。

でも、やはり毎日生活していく上では「佳き日」ばかりでなく、「そうでない日」もある。でも、一日一日が「尊い日」。佳き日も、そうでない日も。

と言うことで、この日は “Everyday is a precious day” だね、っと皆んなで話しました。

簡略した茶事だったので、炭を点心(お昼ご飯)の前に行いました。(風炉の時期に行う正式な茶事は、早朝に行う朝茶事を除いて懐石を食べてから炭手前になります。)釜には水しか入っていません。炭がないとお湯が沸かない → お湯がないとお茶が点てられない! なので、火をおこしてお湯を沸かすのは大変重要なことになります。近年、特にアメリカでは炭を入手するのが大変困難で、しかもすごーーーーーく高くなったので、なかなか大変なのですが、いい機会なので炭をついでみました。(が、久しぶりだったので、いきなり手順を間違…

簡略した茶事だったので、炭を点心(お昼ご飯)の前に行いました。(風炉の時期に行う正式な茶事は、早朝に行う朝茶事を除いて懐石を食べてから炭手前になります。)

釜には水しか入っていません。

炭がないとお湯が沸かない → お湯がないとお茶が点てられない! なので、火をおこしてお湯を沸かすのは大変重要なことになります。

近年、特にアメリカでは炭を入手するのが大変困難で、しかもすごーーーーーく高くなったので、なかなか大変なのですが、いい機会なので炭をついでみました。(が、久しぶりだったので、いきなり手順を間違えています。)ガールズも近くで拝見。

炭をついだ後は、お待ちかねのお昼ご飯。食べやすいように、お弁当にしました。

炭をついだ後は、お待ちかねのお昼ご飯。

食べやすいように、お弁当にしました。

こんな感じ。普段のおかずを入れているだけ。でも、いつもより品数は多い(笑)。前の日に準備できるものは出来るだけしておくと、当日は楽です。

こんな感じ。普段のおかずを入れているだけ。でも、いつもより品数は多い(笑)。

前の日に準備できるものは出来るだけしておくと、当日は楽です。

お酒が飲めないので、お水。

お酒が飲めないので、お水。

煮物椀を作ってます。

煮物椀を作ってます。

椎茸、入れたかった。。。

椎茸、入れたかった。。。

食事の最後はデザートです!

食事の最後はデザートです!

練り切りで「こぼれ萩」。手製です(というか、お菓子屋さんがないので、作るしかしょうがない。)

練り切りで「こぼれ萩」。手製です(というか、お菓子屋さんがないので、作るしかしょうがない。)

前半 <(炭、食事)=初座> が終わったら、一度庭に出て休憩。本当は腰掛けという場所で待機しますが、うちはガゼボ。後ろに夫が作ってくれた鹿おどしがあって、それなりに気持ちがいいですよ〜。後半(後座)が始まる合図は、銅鑼を打ちます(風情がありますね〜)。が、これ上手く打つのが難しい。「大、小、中、中、大」と音の大きさを変えます。後座は床の間(ないけど)の掛け軸を外して、花を掛けます。

前半 <(炭、食事)=初座> が終わったら、一度庭に出て休憩。

本当は腰掛けという場所で待機しますが、うちはガゼボ。後ろに夫が作ってくれた鹿おどしがあって、それなりに気持ちがいいですよ〜。

後半(後座)が始まる合図は、銅鑼を打ちます(風情がありますね〜)。が、これ上手く打つのが難しい。「大、小、中、中、大」と音の大きさを変えます。

後座は床の間(ないけど)の掛け軸を外して、花を掛けます。

この日は小菊に萩。茶席の花を扱う花屋さんもないので、お花も庭で育てます。

この日は小菊に萩。茶席の花を扱う花屋さんもないので、お花も庭で育てます。

花入は瓢箪!

花入は瓢箪!

道具を運び込んで、これからお茶を点てます! 本来の茶事であれば、「濃茶」と言うペーストみたいになっているねっとりとしたお茶を練ります。(←点てるって言わないんす) 5名ぐらいまでなら一碗の茶碗に5人分。それをお客様全員で回し飲みします。が、このご時世。最近は回し飲みは避けて、濃茶でもそれぞれに別の茶碗に練ってお出しする「各服点(かくふくだて)」になっています。今回は薄茶をそれぞれ違った茶碗に点てて出しました。

道具を運び込んで、これからお茶を点てます! 本来の茶事であれば、「濃茶」と言うペーストみたいになっているねっとりとしたお茶を練ります。(←点てるって言わないんす) 5名ぐらいまでなら一碗の茶碗に5人分。それをお客様全員で回し飲みします。

が、このご時世。最近は回し飲みは避けて、濃茶でもそれぞれに別の茶碗に練ってお出しする「各服点(かくふくだて)」になっています。

今回は薄茶をそれぞれ違った茶碗に点てて出しました。

そして、最後に正客の三女が私に薄茶一服を。(催促しちゃいました。。。)

そして、最後に正客の三女が私に薄茶一服を。(催促しちゃいました。。。)

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茶事の最後の方にいただくお茶が美味しんですよー。

茶事の最後の方にいただくお茶が美味しんですよー。

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お茶というと敷居が高いイメージがあって、茶事というとさらに大層なことだと思われがちですが、お道具や室礼も分相応にし、出来る範囲で無理なくやっていけば、自分も楽しんでお茶を差し上げることが出来るのではないかと思っています。

稽古も大事ですが、稽古は茶事を催すことが出来るように修練するもの。実践も積んでいかないと全然前に進まないし、楽しさも味わえないと思います。

ゴルフ練習場で練習用のボールばかり打って、一度もゴルフコースに出ないゴルファーは、ゴルフの楽しさも、面白さも、難しさもわからないのと同じですね(って、ゴルフされない人にはピンとこないかもしれませんが)。マラソンも然り。

ということで、今後も機会があれば茶事修行をしていきたいと思っています。

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<令和2年 長月茶事 会記> 於:和心庵

<待合>        

軸:   「月」西垣大道筆 大徳寺派極楽寺(兵庫県) 「秋草図」 坂口行雲絵

莨盆:            グアテマラ籠

火入:            大樋焼 宗旦350周年忌記念品

火吹:            青竹

汲出:            中国景徳鎮窯 

盆:                丸盆 蝶々蒔絵

 

<本席>

軸:                「日々是好日」 前田昌道筆 大徳寺瑞峯院

花:                小菊、萩

花入:            瓢箪 瓢栄作

炭斗:            利休好 鱗

羽:                梟(フクロウ)

火箸:            利休好 針の目

灰器:            青楽

灰匙:            竹皮

香合:               瓢箪蒔絵(輪島塗)蔦香合、日野拓也作

香:             沈香 山田松香木堂           

風炉:               唐金道安

釜:                   紹鴎好 鶴首

風炉先:           浜辺    

水指:      萩灰被 玉村登陽造  

棗:    鵬雲斎大宗匠好 三光棗(日、月、星)一幸作
茶杓:      C. Bartrette 作 「平常心」

茶碗:      黒楽 光悦「時雨」写 昭楽造

替:       九谷 「秋草に月」芦湖造、 京焼「六瓢」、「勾玉」木下宗道造

建水:      ハワイ製

蓋置:      竹

薄茶:   坐忘斎御家元匠好 「嘉辰の昔」 上林詰

<点心> 大徳寺弁当箱

さつま芋ご飯、卵焼き、香菜入り鶏つくね、鮭西京焼き、胡瓜とワカメ酢物、椎茸のネギ包み焼き、銀杏人参、法蓮草の胡麻和え

 煮物椀:  しんじょう、ホウレン草、人参、レモン

 菓子:      練り切り 銘「こぼれ萩」(手製)    

菓子器:  根来銘々皿