「ほぼ日着物チャレンジ」の結果!

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、6月後半から着物をほぼ日で着る!というチャレンジを始めました。

どうしてほぼ日(毎日ではありません)で着物を着ることにしたのか? お籠り中に外へ行く訳でもなく、別にわざわざそんな面倒なことをしなくてもいいのは分かっていました。が、お籠り中だからこそ、日頃できない事で、今後少しでも上手くできるようにことがあればやってみたいと思っていました。その一つが着物の着方!

大きなきっかけは2年前に帰国した際、銀座三越でポップストアを開催していらっしゃった「木下着物研究所」の木下勝博さん、紅子さんにお会いする機会があったこと。お二人とも長年毎日着物で生活していらっしゃって、お人柄も素晴らしく、生活者として着物を着る視点を持っていらっしゃっいます。

紅子さんが主宰する着物ブランド「紅衣」のスタイルがとても私の感性にも合っていました。こんな風にすっきりとシンプルに、それでいてお洒落に着物を着たいとすぐさま思いました。

また、噂には聞いていた「帯の前結び」を提唱されていたこと。今後、年齢を重ねるにつれて手を後ろに回して結ぶ通常のやり方では段々としんどくなるなぁ〜っという予感があったので、せっかくだからマスターしてみようと。

さらに、木下ご夫妻は今年の元旦から着物の着方/知識に関する動画を毎日YouTube 配信され、それらを通して自分でも学べる機会があったことも、この期間に着物を毎日着てみようというきっかけになりました。

そして、お籠り生活100日が経った6月26日から、次の100日の目標として「ほぼ日で着物を着る!」という着物チャレンジが始まりました。

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そして、その結果は!

100日中、着物を着たのは67日。

毎日というのは確実に無理だとわかっていたので「ほぼ日」にしましたが、もうちょっと着ていたのではというのが最初の感想。7月&8月は週5〜6日着てましたが、9月に入ってから着る回数が激減。

原因はやはり9月に入って少し疲れが出てきたのと、「生活着」として着る着物をあまり持っていなかったこと。実際に着ていた夏の着物は綿の「浴衣」やポリエステルのいわゆる「洗える着物」。絹の着物もありましたが、家庭でメンテナンスできないのがわかっていたので自ずと手が伸びず。

7&8月は「浴衣」と「洗える着物」でカジュアルに着ることが出来たものの、少し涼しくなり始めた時に着る着物が全然ないことに今更ながら気づきました。そして、夏が終わった!と思いきや、猛暑がぶり返して日中暑くて暑くて。。。頭の回線回路もシャットダウン。せっかく洗濯した夏の着物をまた引っ張り出してくる気力もなく、洋服に甘んじました。

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しかしながら、「ほぼ日着物チャレンジ」を通していくつかの気づきがありました。

1)やはり着物は楽しい。その日の気分や天候によって、着たい着物の色、柄、素材などが楽しめること。特に洋服では考えられないような配色に挑戦できたり、帯揚げや帯締めの小物で変化をつけられることの実感。

2)心が穏やかになる。所作もどこなく丁寧でゆっくりになり、着物を着ることで心が穏やかになります。これは落ち着きがなく、いつもバタバタとしている私への貴重なリマインダー。

3)姿勢がよくなる。帯を巻いているので、背中が曲がっていることを意識しやすくなり、椅子に座るときも足を組めないので姿勢をまっすぐ保つことを心がけるようになります。

4)床が綺麗になる。足袋を履いていると汚れがすぐ足裏につくので、家の中を清潔に保つように心掛ける。が、これはかなり大変です(汗)。

5)お化粧がミニマムになる。私にとって着物が汚れる箇所の一番は長襦袢の襟周り。お籠り生活ということもあり、お化粧する必要が軽減されましたが、さらにミニマムに。具体的にいうとファンデーションはほとんど顔の中心のみで周囲はパウダーを叩く程度。これにより、襟まわりの汚れ激減。

6)アイデンティティの確認。ちょっと大袈裟かもしれませんが、アメリカ生活も30年になり人生の半分以上は日本を離れて。それでもやっぱり根っこは日本人。日本の民族衣装を着ることで、自分の中の「日本人」という部分を再認識することができます。

7)ものを大切にする心を養う。着物は洋服に比べるとかなり高額になりますが、手入れをして、直しをしながら、代々受け継いでいく究極の「スローファッション」。安いけど品質も粗悪で、そのシーズンだけ着てポイ捨てしてしまう現代の「ファーストファッション」を見直す機会にもなるのではないかと。

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他にも着物を着ることで気をつけなければいけないこと、もっと気軽に着られるようなるにはどうしたらいいかなど、色々な発見がありました。が、文章が長くなるので、日を追って別にまとめたいと思います。

今後はどうするかというと、やはり毎日は無理ですが茶道の稽古がある日(オンラインで細々とやってます)を中心に週に3〜4日で着ていくことが出来ればと思っています。

もし、私がどんな着物を着ていたのかご興味がある方は備忘録としてこちらに写真をまとめました。途中からなので、全てをカバーしきれてませんが)同じ着物や帯でも組み合わせを変えるだけで沢山あるような錯覚になります(笑)。今後もぼちぼちアップデートしていく予定です。

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これから数年かけて私の着物箪笥の世代交代も考えています。今までは祖母、母、叔母、先輩、友人から譲ってもらった着物やリサイクルショップで購入したものが大半を占めていたので、サイズの合わないもの、色柄が私の好みとはちょっと合わないもの、かなり傷んでしまったものもあります。それらは、他に楽しんで下さる方に譲ったり、仕立て直しをして活かしつつ、一枚一枚の着物の状態を吟味して箪笥の中身を少しずつ整えていこうかと思っています。今の時代には逆行して、かなり時間がかかると思いますが一人でニヤニヤする密かな楽しみになりそうです。

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最後に着物着てみようかなぁ〜っと思っていらっしゃる方! 

最初は大変かもしれませんが、きっと毎日の生活が豊かになると思いますので、最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。